鍼灸師とは
現在の日本では、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)により与えられる資格で、 はり師、きゅう師別々のものです。
7世紀中頃に日本に伝わったとされる鍼灸は、養老律令(718)のなかで医事をつかさどる役務が決められていました。
教育にかかる修業年限は医学の分化によって異なり、内科は7年、小児科と外科は5年、耳目口歯は4年、鍼灸を専門にするものは
7年、按摩とまじないを専門にする者はそれぞれ3年と定められていました。この時代の医学は主に貴族の間に行われ一般の人々は
その恩恵を受けることは稀であったようです。
それ以降、官邸医、僧医(僧侶)へと引き継がれ、明治政府によるドイツ医学採用までの約1100年の永きに亘って、漢方(湯液)とともにわが国の正統医学として
国民の健康に寄与してきました。明治維新から太平洋戦争敗戦までの間、鍼灸は民間療法という不当な扱いで市井の一隅に追い遣られ、敗戦直後には連合国
司令部から鍼灸禁止令が出されましたが、前述の法律第217号によって正式な免許制度が採用され、平成5年より厚生労働大臣免許となり現在に至っています。
鍼灸師の職域
スポーツ選手の心身の状態をよりよい状態に回復・維持することを狙いとした専門領域。
スポーツ鍼灸では、ケガや使いすぎなどによって起こるスポーツ渉外の治療はもちろんのこと、予防やコンディショニングを含めた目的で行われています。
特に筋痛や筋疲労の改善に高い効果が期待できます。
さらに体調や専心不安などの維持・改善にも効果が期待できます。
スポーツ選手の多くは肉体的・精神的に非常に小さな症状に対しても神経質なもので、心身両面からのアプローチが重要になります。どちらかというとこういう選手の要求にそえるのは医師より鍼灸師の方が得意としています。
現在のアスレティックトレーナーの多くは鍼灸師であり、現場ではトレーナー業務の中に鍼灸治療を取り入れています。
最近はテレビ等マスコミにもプロのスポーツ選手に施術する、こうした鍼灸師が登場しています。
女性は男性と異なり、明確なライフサイクルを示します。小児期、思秋期、性成熟期、更年期、老年期といったか暗い夫サイクルに於いては、心身機能に特色があり、しかも結婚・妊娠・出産・子育てといった女性の固有の生活があります。
それぞれの時期に固有の健康障害が生じやすく、また、その障害は鍼灸により軽減できるものが多いのです。